【政界地獄耳】野田佳彦の功績 玉木雄一郎の狙い - 日刊スポーツ(2023年11月23日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202311230000028.html

★22日、衆院予算委員会自民党主要派閥の約4000万円の未記載を巡り、予算委員会は理事会から紛糾、1時間近く遅れて始まり、首相・岸田文雄は各派閥が速やかに説明するよう党幹事長・茂木敏充に指示したと説明した。質問に立った立憲民主党の元首相・野田佳彦は「これ氷山の一角じゃないか。なぜこんなことが起こっているのかということを解明するところまでが調査だと思いますよ」と、詰め寄った。

★首相は既に宏池会(岸田派)の事情説明はしたものの、速やかな説明と再発防止を各派閥に指示。同日、茂木は党本部で茂木派の19~21年分の政治資金収支報告書で、パーティー券収入を巡る記載漏れが計17件あったと認めた。また同派事務総長で経済再生相・新藤義孝予算委員会で、同派の収支報告書について所要の修正をした上で収入総額に変更はなかったと答弁している。こうなると最大派閥で1900万と額も大きい、清和会(安倍派)の説明が問われてくる。ここまでをスムーズに運ばせた野田の功績は大きい。

★国民民主党代表・玉木雄一郎も、同委員会で「総理が本当にご決断いただけるのであれば、今回の補正予算賛成してもいいと思ってます。総理が来年の春以降、トリガー(条項。ガソリンの平均小売値が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税の上乗せ分の課税を停止し、その分を減税する仕組み)でやるんだということを、今、明言していただければ、しっかりと応えていきたいと思いますが、いかがですか」と問えば、首相は「トリガー条項の凍結解除についても与党と国民民主党の政策責任者のもとで、検討を進める」と応じた。国民はトリガー条項発動を条件に昨年度の政府予算に賛成したものの、履行されなかった経緯がある。また財務相鈴木俊一はトリガー発動をしない理由を「発動前の買い控え」として批判された。これも玉木のポイントだ。(K)※敬称略