<ぎろんの森>クリーン三木が残した課題 - 東京新聞(2023年11月25日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/292167

自民党5派閥が2018~21年の政治資金収支報告書政治資金パーティーの収入計約4千万円分を過少記載したとして刑事告発されました。

東京新聞は24日社説「自民5派の会計 裏金づくりが疑われる」で「会計処理のずさんさは目に余る。立法を担う国会議員による政策集団にもかかわらず、順法精神の欠如は深刻と言わざるを得ない」と厳しく批判しました。


自民党が初めて「政経文化パーティー」を開いたのは1975(昭和50)年3月、三木武夫総裁(首相)のときでした。

金権問題で退陣した田中角栄首相の後を継いだ三木氏はカネまみれの自民党政治を変えようと、政治資金規正法の改正に取り組みます。

戦後間もなく制定された同法に政治献金額の上限はありませんでした。三木氏は党内の激しい反発を受けながらも献金額に上限を設ける法改正を実現し、「クリーン三木」と称賛されたのです。

パーティーは三木氏の意向を受けた、政治資金集めの新しい形式でもありました。

このときの会費は6万円。現在の相場2万円と比べて高価ですが、席上、党総裁として出席した三木氏は、「これからは、党の資金は『狭く深く』から『広く浅く』に切り替えたい」とあいさつしています。その後、政治家と業界との癒着を招きやすい企業献金に代わり、政治資金パーティーが推奨されます。

さまざまな問題は当初から指摘されてきましたが、政治資金パーティーの起源は政治の浄化にあったのです。

現在、1回20万円超のパーティー券購入者は名前や金額を収支報告書に記載するよう義務付けられています。

しかし、この規定も守られていませんでした。刑事告発の対象は4年間だけですから2017年以前にも同様の過少記載があったことは容易に想像できます。

政治資金は全面公開が望ましいと考えます。それが難しいなら、20万円の公開基準を当面、10万円とか5万円に引き下げてはどうか。クリーン三木の残した前世紀の課題をいつまでも引きずっていいわけはありません。 (と)