【政界地獄耳】福島処理水放出じわじわ国際問題化 外交の岸田はどこに - 日刊スポーツ(2023年8月29日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202308290000046.html

★処理水放出がじわじわと国際問題として拡大している。北京訪問直前に中国サイドから「当面の日中関係の状況に鑑み、適切なタイミングではない」と延期を告げられた公明党代表山口那津男について28日の会見で官房長官松野博一は「政府として山口代表の訪中にも期待していた。今後、再調整されると承知しており、後押しをしていきたい」と残念がった。今後の日中首脳会談の可能性が低い中、山口訪中は政府の期待も大きかったはずだが、山口はこれで政府の一員とみなされ、長年の公明党と中国の関係も変化したとみるべきだろう。

★また、松野は処理水の放出を受けた中国側の日本産水産物の輸入停止措置をはじめ、放出に関しての嫌がらせや反発について「極めて遺憾であり憂慮している。中国側には国民に冷静な行動を呼びかける等、適切な対応を行うとともに、処理水について正確な情報を発信することを強く求めてきており、引き続き強く求めていく」とした。政府の理屈は「科学的根拠に基づかない発信で人々の不安をいたずらに高めるべきではない」というものだが、政府はこの嫌がらせに過剰に反応しており、28日、外務事務次官・岡野正敬は中国の駐日大使・呉江浩を外務省に呼び、「極めて遺憾だ。憂慮している」とした。北朝鮮朝鮮労働党機関紙・労働新聞に至っては「核テロ」などと非難しているが、この政治的キャンペーンに落としどころはあるのか。

★在米映画評論家・町山智浩は「『処理水は科学的に安全なのに日本の水産物を買わない中国が悪い』『中国も原発の処理水を排水しているのに』といくら言っても、買う買わないは客の自由だから。『あんたの店のBGMが嫌いだから買わない』と理不尽なことを言われたとして、『なんて客だ』と客を責めたら、かえって店には帰ってこないよ」。とX(旧ツイッター)に書き込んだ。外交の岸田はどこにいるのか。(K)※敬称略