【政界地獄耳】マイナ問題、未公表のミスまだあるのか 生活のための保険証は生活そのもの - 日刊スポーツ(2023年7月4日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202307040000064.html

★2日、デジタル相・河野太郎はテレビでマイナンバーカードのトラブル噴出について「問題が起きていろいろとご迷惑をかけていることはおわびを申しあげたい」とし、「マイナンバー制度と、マイナンバーカードが世の中で混乱してしまっている。次にカードを更新する時には『マイナンバーカード』という名前はやめたほうがいいのではと、個人的には思っている」と言い出した。個人的とはいえ担当閣僚でマイナンバーカードトラブルの総点検の本部長も務める閣僚の発言だ。

★ところが3日、定例会見で官房長官松野博一は河野発言を「大臣の発言は個人的な提案であり、政府としてそのような方針について検討していない」とし、河野に発言の真意についてただす「予定はない」とした。この発言から幾つかのことが考えられる。1つは問題の担当大臣が相変わらず、テレビで軽々にすり合わせてもいない話をペラペラと話すことに、官邸が強い不快感を持ち、河野を単に突き放したということ。または政府はこの問題に関して公表していないトラブルや、致命的なミスが途方もなく広がっている可能性や、マイナンバーカード保持者が不安に駆られて解約や返納するという行動に出ていて、それがとてつもない数字に膨れ上がっていて、政府の方針など示せない状態。この際、無期延期という停止を発表するタイミングを官邸が見計らっているなどが考えられるのではないか。

★いずれもさもありなんという感があるが多くの国民、ことに年配者たちが健康保険証の一元化のために自らの医療環境を守ろうとマイナンバーカード取得に走ったものの、今では保険証のままでいいのではないかというのが社会の常識だ。身分証明のための健康保険証ではなく生活のための保険証は生活そのものなのだ。マイナンバー改正法は保険証との一元化だが、ほんの1カ月前に与党のみならず、維新の会と国民民主党が賛成したことを忘れてはなるまい。(K)※敬称略