【政界地獄耳】3大臣陳謝、不安だらけのマイナカード 保険証との一本化など廃案にすべきだろう - 日刊スポーツ(2023年5月30日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202305300000036.html

★与党にとっては想定外のマイナカード問題が後半国会の争点に浮上した。国民を2万円のポイントで釣って登録させたものの、個人情報流出につながる誤登録などの問題が続出。トラブルの中身と規模はあまりにも多く、ここでは割愛するが24日、衆院予算委員会では首相・岸田文雄も「信頼というものがあってこそのマイナンバーカード」「国民がこの信頼に対して、不安を感じるような案件が指摘をされていることは重く受け止めなければいけない」と答弁し、再発防止に向けては「政府一丸となって対応すべき課題であると認識をする」とまで言わざるを得なくなった。国民にはサービス向上を売り物にした制度だが、制度をつかさどる各省は縦割りでこの問題の処理ができないというお粗末さだ。

★29日には参院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会にデジタル相・河野太郎が出席し、昨年8月には発覚していたマイナンバーカードのポイント付与のミスも河野は「知りませんでした。5月24日の報道で把握した」と無能ぶりを発揮。デジタル庁は今年4月にシステムの改修をして再発防止策をとったと説明するが、質問した立憲民主党・杉尾秀哉は「組織的な欠陥があると言わざるを得ない。管理職が知らないなんてあり得ない」「こんないいかげんな行政でマイナンバー制度大丈夫なのか」と問い詰めた。26日にも関係3大臣の河野が「不安を与えて申し訳ない」。総務相松本剛明が「ポイントが別の人に付与されて申し訳ない」。厚労相加藤勝信が「心配・懸念をかけて申し訳ない」とそれぞれ陳謝している。

★その加藤の謝罪が健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する関連法案だが、マイナンバーカードと一体化した健康保険証を医療機関で利用した際、本人ではなく別の人の情報がひも付けされていたケースが複数確認された。これでは医者や病院の判断ミスにつながり、処方を間違える場合も起こる。採決にこぎつけるレベルではない。廃案にすべきだろう。(K)※敬称略