【政界地獄耳】デジタル相・河野太郎の功名心が首をもたげた「マイナ保険証」 - 日刊スポーツ(2022年10月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202210150000021.html

★13日、デジタル相・河野太郎は24年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えるとし、24年度末としているマイナンバーカードと運転免許証の一体化時期の前倒しを検討すると会見でぶち上げた。マイナンバーカードは住民基本台帳のカード化失敗から始まり、任意ということもあって取得者は増えず、カードを作ったら2万円をくれるという怪しげな予算措置で49%台まで取得率を上げてきた。つまりいまだ半数に満たない。任意だからだ。

★ところがこれでマイナンバーは義務化されるということになるが、法律がありながら国会にも諮らず、7月の参院選挙でもおくびにも出さなかった。似たようなことが今、既に始まっている。旅行割だ。利用条件はワクチン3回接種証明書、またはPCR検査・抗原定量検査(検体採取日+3日)・抗原定性検査(検体再採取日+1日)の陰性の検査結果通知書が必要となる。確か接種も任意だったようだが、恩恵を受ける公平性で言えば税金の運用に議論があるはずだ。厚労省の極めて内務省的発想で言えば、従順な国民にご褒美を出すという考えなのだろうか。

★任意のものを義務化にすり替えることに国民の反発も大きくなるだろうが、そのマイナ保険証が出来ても、全国の病院のシステムが対応しておらず、使えないことは誰も説明してくれない。普通はその整備を終えてから言い出すものではなかろうか。河野の功名心が首をもたげたか。ついでに言えばNHKが来年10月から地上契約・衛星契約ともに受信料を1割値下げする。来年4月から、受信料の不正な未払いに対し2倍の割増金を請求することを検討している。大英断のように言うがこの時代、スクランブル放送で有料視聴者とそれ以外を分ければいい。国民保護法適用時にスクランブルを外せばいい。いずれも自らの都合だけ発表することにいささか疑問を感じる。(K)※敬称略