【政界地獄耳】自公どうする 萩生田の失敗 - 日刊スポーツ(2023年5月27日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202305270000089.html

★冷静に考えれば自民党政調会長で都連会長、そして次期安倍派会長有力候補・萩生田光一では公明党が納得する選挙区調整はまとめきれなかった。公明党は10増10減で選挙区が5増える東京で2つの選挙区に候補者擁立を考えていて、その1つが東京28区だったが折り合いがつかず決裂、公明党は都議会での協力関係も解消するとしており萩生田の調整力が問われている。

★うまくいかなかった28区は練馬区。萩生田とどんな縁があるのか。萩生田が公明党と決裂してまでもこだわったのは民主党公認候補だったこともある安藤高夫。八王子の総合病院の理事長だ。自民党関係者が言う。「萩生田は都連会長の立場を使い、当選する候補だからとか、いい候補がいるからとかいうよりも、立候補したい人に『俺が押し込んでやる』という感じの駆け引きに持ち込む。つまり特別に公認を出してやったからと恩着せがましくいく。当選すればもうけもの、落選しても関係ないという立場で都連管轄の調整をしていた」。今どき“昭和の政治”を東京で実践しているとは信じがたいが7区、9区、15区あたりは、党都連関係者でも首をかしげるという。公明党もこの不可思議な擁立の背後に萩生田の存在があることは承知のようで、今後は都連の公認調整は再調整になりかねない。

★東京15区は話題の「日本一予約が取りにくい」とされる都立ゴルフ場「若洲リンクス」(江東区)をめぐって、前江東区長で先ごろ亡くなった山崎孝明と息子で元都議・一輝が私物化しているといわれているが、萩生田と近いといわれ、自民党入りした柿沢未途の公認が宙に浮いているといった問題も表面化しつつある。20年続く自公関係を萩生田の利害で自民党が辞めるとはいい難く、選対委員長、幹事長はだんまりを決め込んでいるが、萩生田の失敗をどう取り繕うか。(K)※敬称略