【政界地獄耳】コロナ政策は落ち着いたか 中国では鳥インフルエンザ感染者死亡で新たな懸念 - 日刊スポーツ(2023年4月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202304130000081.html

★世界的に新型コロナウイルスが落ち着きを見せ、国内でも少しずつマスクをしない人が街に出始めている。振り返れば日本は混乱はあったものの政府の言うことをよく聞く国民性からか、マスクも努力義務だったワクチン接種も従順だった。コロナ後の景気回復に期待を寄せる声も大きくなってきている。3月28日、WHO(世界保健機関)は、それまでの全世代でのワクチン追加接種を「推奨」していたものを「健康な成人」と「すべての子ども」について、3回目以降の接種を「推奨しない」に方向転換した。大きな方向転換と言っていい。ただどの年代においてもワクチンは「有効で安全」とも記している。

★種を明かせば、先進国以外にワクチンの入手や接種がままならない国にもWHOは目くばせをしなくてはならず、各国の実情に合わせて個別の指示をすると、別の混乱が生じるための措置とみるべきだろう。コロナ制圧とかコロナ撲滅はほど遠いことを感じさせるものの、過剰な不安もあおらないというところまでコロナ政策は落ち着いてきたといえよう。

★一方、WHOはもう1つの懸念を発表した。11日、中国広東省の女性が3月3日に肺炎で入院し、16日に死亡したと中国国家衛生健康委員会への報告があったという。女性は3人目のH3N8型の鳥インフルエンザの感染者だが、人が感染して死亡した例は初めて。WHOは「人への感染が拡大するリスクは低いと考えられる」と付け加えているが、コロナと同じ中国発ということ、わが国の卵の値段高騰には鳥インフルエンザが大きく関わっていることから、懸念が広がるところだ。ロイター電は「WHOによると、死亡した感染者には複数の基礎疾患があり、生きた家禽(かきん)との接触歴があり、女性が発病前に訪れた生鮮食品市場から採取されたサンプルがインフルエンザA(H3)型陽性であったことから、この場所が感染源の可能性がある」としている。(K)※敬称略