【政界地獄耳】首相・岸田文雄 本丸は五輪汚職 政界ルート隠しか - 日刊スポーツ(2022年11月3日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211030000036.html

★支持率低迷に苦しむ首相・岸田文雄。党の重鎮詣ででしおらしくしているようだが本当にそうだろうか。前経済再生相・山際大志郎予算委員会で盾に使い、旧統一教会問題をだらだらと長引かせ、その山際のクビを差し出す代わりに立憲民主、日本維新の会の野党1党、2党を抱き込んで、自民・公明を入れた被害者救済の法整備協議会を設置。これで国民民主、共産を排除し院内の野党共同歩調をつぶした。

★続いて1日、この協議会の4回目の会合で自公は被害者家族の損害賠償請求やマインドコントロールの扱いで課題が残るとして、今国会での成立先送りを提案。時間稼ぎを始めた。ここがみそ。旧統一教会問題を避けたいのは予算委員会での首相答弁だけ。実はそれさえクリアすれば、これからもだらだらとこの問題に野党やメディアが血道を上げていてくれた方が、ほかの問題に興味を持たない分ありがたいという考えがあるのではないか。まして立憲と維新主導で協議会を作り先送りを提案するなど、はしごを外すのもうまい。協議会を空転させ、その一方で、衆参に旧統一教会問題特別委員会を設置させなかったことは禍根も残す。この協議会だけが旧統一教会問題を扱う国会の機関となるからだ。

★ではほかの問題に興味を持たせない、その「ほかの問題」とは何か。自民党関係者が言う。「国会で野党が『旧統一教会問題』を引き延ばしてくれたおかげで、五輪汚職がクローズアップされずホッとしている。今、検察は着々と五輪汚職の解明を進めているが、今後の焦点は元首相・森喜朗ら政界ルートへ捜査が伸びるのか。また五輪関係費が一体どこへ流れたのか、還流されたかの解明。これはメディアも調べようがなく、検察頼み。この報道合戦が影を潜めているだけでも自民党は助かる」という。本丸は旧統一教会問題ではないのかもしれない。(K)※敬称略