【政界地獄耳】何もしない首相・岸田文雄にいら立つ国民 - 日刊スポーツ(2022年10月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202210140000082.html

★10月8~10日に行ったNHK世論調査の結果が11日に発表された。岸田内閣を「支持する」38%、「支持しない」43%と不支持が上回り、続落の状況に変わりはない。官邸は「一喜一憂しない」というものの、国会開会直後に財務相鈴木俊一の外遊で1週間、予算委員会が延び、この後は首相・岸田文雄が豪州に外遊に出るという。これでは国会の審議から逃げているとしか言えず、支持率低下は身から出たさびといえる。なぜなら7月10日投開票の参院選で公約にした物価高抑制に全く着手せず円安は加速。新しい資本主義は国民に提示できていない。

★つまり岸田政権の支持率回復の処方箋は懸案の実行で大きく改善される。約束したことを実行すればいいのだ。「旧統一教会との関係を断ち切る」と首相は幾度となく発言するが、それならば裁判所が決めるとはいえ解散命令を出す方向で指示を出すとか、党政調会長萩生田光一、内閣では経済再生相・山際大志郎、加えて衆院議長・細田博之ら教会に近いとされる人物の即時更迭も決めたらいい。衆院議長人事は直接できないのなら、院のしかるべき手続きを踏めばいい。結局国民は何もしない首相にいら立っているのだ。

★岸田内閣の経済政策の党の取りまとめを萩生田が、閣内の責任者が山際という顔ぶれを放置していて支持率低下を嘆く官邸の面々の思惑は、岸田人気が低調でもポスト岸田がいないという現実と旧統一教会問題は誰が首相になっても解決を見ないという難題だということ。そこに光明があると信じることも情けないが、参院選自民党のキャッチフレーズ「決断と実行」は今こそ行使する時だろう。国難と自らが宣言しながら外遊を国会より優先させるのは、自国民は後回しということに他ならない。豪州の後にはアジア歴訪も控えているようだが、国難の折、延期していただきたい。(K)※敬称略