https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208090000033.html
★首相・岸田文雄は内閣改造の時期について、8月上旬、8月下旬、9月上旬と3つのプランを逡巡(しゅんじゅん)していたのではないか。「これでお盆休みはなくなった」。官邸や霞が関の官僚たちのこぼす声が聞こえてきそうだが、ロシアのウクライナ侵攻や台湾情勢、災害対応、コロナ対策などを理由に岸田のサプライズ改造が早まった本当の決め手は国家公安委員長・二之湯智だった。昨年の組閣で思い出入閣を果たした二之湯だが、まず元首相・安倍晋三が銃撃された大和西大寺事件の責任を警察・警備関係者が誰も取っていないこと。二之湯の旧統一教会との関係やその説明が目を覆う状況ということ。そして7月25日まで参院議員だったとはいえ民間人が警察のトップでい続けることに警察自身が難色を示したのではないか。
★6日、首相は会見で新たに起用する閣僚や副大臣に関し「国民から信頼される行政をする観点から当該団体との関係をそれぞれ点検し明らかにしてもらう」「国民に疑念を持たれないように社会的に問題が指摘される団体との関係は十分注意しなければならない」と踏み込むとともに「旧統一教会をはじめ宗教団体に法令から逸脱する行為があれば『厳正に対処する』」とし、悪質商法などには「被害者の救済に政府一体となって万全を尽くしていきたい」とこの改造が国民への踏み絵になることを宣言した。来年の統一地方選挙を前に旧統一教会の支援を受け擁護している議員の公認問題にも波及するだろう。
★いつも以上に身体検査が厳しくなるだろうが「祝電程度」「あいさつ程度」もダメとなれば多くの議員に説明責任が生じる。悪質商法などへの認識も問われる。そうなれば岸田人事は旧統一教会対応といえば、かなりの大胆なこともできるし、この改造人事が新たな力の源泉になりかねない。今回の内閣改造は岸田本格内閣が作れるか否かのポイントになる。(K)※敬称略