【政界地獄耳】「今後決別」宣言で国民が納得するか - 日刊スポーツ(2022年8月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208250000064.html

★文春砲で首相・岸田文雄の歯切れの悪さの原因が分かったものの、その報道を踏まえて「今後決別する」宣言だけでは国民は納得しないだろう。あわてて関係省庁に霊感商法などの被害者救済を指示したとしても国民はポーズだと受け止める。知っていようが、とぼけていようが、この時代に国会議員にまでなって「何も知らなかった」と言い張るのも結構。だが霊感商法の広告塔や片棒を担いだ事実は否めない。自民党政調会長萩生田光一が極めて親しい間柄の旧統一教会について、嘘(うそ)ばかりついて矮小(わいしょう)化しようとしていたことが、政界や自民党への不信感につながっている。

★萩生田は落選中には加計学園系列の千葉科学大学客員教授を務め、自民党総裁特別補佐時代や文科相時代には幸福の科学大学設置認可に奔走した経緯もあり、大学認可や宗教団体ならどこでも付き合うかの振る舞いだ。そこに公明党が不信感を抱いているとの報道もあり、今後も報道や追及は尽きることがないだろう。このお盆休みなど地元で戸別訪問など地元回りをした自民党や野党議員までが、支持者から旧統一教会への怒りや自民党や政治家の対応に不信感を持ち、丁寧な説明、国会での徹底追及をすべきなど極めて厳しい声があったという。

★党内外には萩生田を筆頭に関係議員の嘘の説明が事態を悪くしているという分析がある一方、間近に迫る沖縄の知事選をはじめとする地方選第一陣への対応、来年春の統一地方選に教会シンパの地方議員ら問題議員を公認するのかという問題もある。また自民党が得意とする辞任させて国民の前から隠して説明をせず、だんまりを決め込み、ほとぼりを冷ます作戦も自民党内だけで100人を超える教会関係議員がいればままならないだろう。つまり唯一の解決策は本気で丁寧に説明し、過去の反省と今後の決別を国民が納得するまでやらなければ、例え内閣が倒れようが終わることはない。(K)※敬称略