【政界地獄耳】旧統一教会に選挙での手助け持ちかけられると断れない? - 日刊スポーツ(2022年8月5日)

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自民党もいろいろ考えなくてはならない。「選挙で助けてくれるから、祝電ぐらい出す」が通用しなくなってきた。旧統一教会に選挙や政治活動での手助けを持ちかけられると断れないのだという。保守政治家の弱点は誰もが自分の味方や支持者と思い込むところにある。またこの間、野党保守政党も乱立。事実、維新の会にも旧統一教会の手は伸びていた。

★この際、「正直に言う。何が問題か、僕はよく分からない」と訳の分からない発言をする自民党総務会長・福田達夫を筆頭とする事態がのみ込めない政治音痴の発言は無視しておいたとしても、旧統一教会が手を差し伸べるのは元首相・安倍晋三の指示ばかりではない。大方、選挙に弱いところに入り込んでいくものなのではないか。帯広市議会(自民会派)・清水誠一市議のように「霊感商法というのは勝手にマスコミが造語しただけの話」とまで言う。これが自民党幹事長・茂木敏充の言う「党との組織的な関係は一切ない」と同義語なのだろうか。つまり旧統一教会は組織的な関係ではなく、党承知の裏部隊だったのではないか。

★1890年に施行された「大日本帝国憲法」では天皇制と神道が結びついたことが、軍国主義化や思想弾圧に悪影響を及ぼしたと考えられ、日本国憲法ではこれを教訓に第20条で信教の自由が保障され、第89条で税金や国有財産を宗教団体に使ったり使わせてはならないと規定している。政教分離の考え方だ。あれだけ旧統一教会との関係を開き直っていた自民党参院議員・井上義行は3日、「お騒がせ、ご心配をかけていることをおわび申し上げる」とコメントを発表。名称が変更された当時の文科相だった自民党衆院議員・下村博文までもが4日、「今となったら責任を感じる。大臣だったので(状況を)踏まえながら考えていく必要があった」と言い出した。茂木は修正した方がいい。(K)※敬称略