<金口木舌>不寛容な体質 - 琉球新報(2022年7月21日)

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自民党国会議員による神道政治連盟の懇談会で配布された冊子にはこう記されていた。「同性愛は後天的な精神の障害、または依存症」。科学的根拠はない。議員がこうした言説に異を唱えない態度にぞっとさせられる

参議院議員選挙という最も神経を使う局面だ。個性に不寛容な体質の一端が与野党問わず露見したのも今選挙の特徴か。失言、暴言もあった
▼NHK党の党首は少子化に関し「質の悪い子どもを増やしては駄目だ」。国力低下を防ぐには優秀な納税者が必要と。納税を基準に人の選別とは驚く
▼元五輪相も少子化に絡めて未婚女性へのあてこすりか。「女性も、もっともっと男の人に寛大になっていただけたら」。少子化の原因があたかも女性との物言い。浅はかさにも程がある
▼極めつけは山際大志郎経済再生担当相だ。「野党の人から来る話は、われわれ政府は何一つ聞かない」。少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。言論の府が聞いてあきれる。