【政界地獄耳】求められてる?30年間賃上げしない自民政治 経団連からはお褒めの言葉 - 日刊スポーツ(2022年6月29日)

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参院選挙中の7月1日、多くの政党は物価高が選挙の争点だというのに、毎月値上がりが続く電気代をはじめ、ガス代、パン、小麦粉、缶詰、食用油、香辛料、チョコレート、アイスクリーム、飲料、酒類、鉛筆、紙、おもちゃ、携帯料金、都内の銭湯と生活物資は軒並み高騰する。それ以外も食品や物流関連の高騰は必至だ。つまり選挙のお題目は政治のゆくえに関係なく粛々と値上がりしていくのだ。

★6月19日のテレビの討論番組では野党が時限的消費税減税の実現を訴えると自民党幹事長・茂木敏充は「消費税なんですが、みなさんからお預かりしている消費税、これは年金・介護・医療そして子育てシェア、社会保障の大切な財源です。これをですね、野党のみなさまがおっしゃるように下げるとなると、年金財源は3割カットしなくてはならなくなる」とどう喝してきた。例年10月に経団連は政治献金の判断基準となる政党の政策評価を発表するが、昨年は与党の新型コロナウイルス対策を評価。デジタル庁創設や日米同盟強化、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)目標、東京五輪パラリンピック開催などの政策を8年連続で「高く評価できる」とした。

★経済界からの自民党への献金は年間28億円余り。ところが研究開発費を使った企業などの法人税を優遇する「租税特別措置」(租特)は減税額が大きい業界ほど自民党への献金額が多い傾向があると東京新聞は21年4月に指摘している。参院選でも全国一律最低賃金1500円を訴えているのは共産、社民、れいわだが自民党は加重平均1000円以上、全国一律は否定している。その1500円でも週5日、8時間労働では年収300万円に届かない。自民党の言う1000円では年収200万にもならない。この30年間、自民党は賃金を上げずに来た。賃金を上げないと経団連に褒められる。その政治を国民が求めているのならば争点などないに等しい。(K)※敬称略