https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203040000074.html
★「ゼレンスキー大統領とは何者か」。米国オンラインメディア「ハフポスト」はこの見出しで「英国首相・ボリス・ジョンソンはウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーとの電話の後、側近に『彼はなんて勇敢なんだ』と話したという」とある。日本では在日ウクライナ大使館がツイッターでウクライナ“義勇兵”を募集すると「日本人70人が志願」というニュースが流れ、外相・林芳正や官房長官・松野博一が「参加せぬように」と声明を出した。
★ロシア大統領ウラジミール・プーチンが悪でゼレンスキーは善の構図が作られたといっていい。事実、大国ロシアがウクライナに攻め込んだことも本当だし旧ワルシャワ条約機構の東欧諸国がEUやNATOに魅力や可能性を感じ参加したがったのも本当だ。つまり親ロ派は少数でゼレンスキーのように親米派が広がった。プーチンは元々1つだったソ連邦の再現を夢見て、帝政ロシア時代からの拡張主義的指向だけで21世紀の戦争に挑んだが、ウクライナは既に、今、手をこまねく米国に取り込まれていたのだ。
★米国が沈黙すれば大統領選挙が迫る仏エマニュエル・マクロン大統領や、アンゲラ・メルケルの後を継いだ独オラフ・ショルツ新政権が前のめりになるのもプーチンは知っていたはずだ。ロシア特命全権公使、駐ウズベキスタン大使兼タジキスタン大使を経験する東大客員教授・河東哲夫はネットニュース番組「ビデオニュース」のインタビューに「14年にロシアがクリミア半島を併合した頃、ウクライナ軍はとても脆弱(ぜいじゃく)だったが、米国から15億ドル(約1650億円)の軍事支援と最新の武器が提供され、軍の部隊も大幅に強化された。24年の大統領選挙での再選もあり、プーチンは追い込まれての侵攻」との見方を示した。(K)※敬称略