【政界地獄耳】なんでもあり?主導権は菅首相に - 日刊スポーツ(2021年8月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108280000065.html

★記者の「二階派は菅支持か」との問いに自民党幹事長・二階俊博は一拍おいて「愚問だ」とぶっきらぼうに答えた。24日の幹事長会見でのやり取りだ。二階はそこで「(首相・菅義偉は)国民の命を守る、暮らしを守るという原点に立ってしっかりした対応を精いっぱいやっておる」「(コロナ禍対策は)誰がやっても難しい。初めての経験だ。批判、ご意見を申し述べることは簡単だが、当面の責任者として私はしっかり頑張ってくれておると評価している」と首相を高く持ち上げた。

★ところが26日、二階派の在京議員懇談会では所属議員からは、二階自身が欠席していることもあって、「意思決定はみんなの意見を聞くべきだ」「メンバーが生き残れる道を考えてほしい」「国民からどう見られるか考えた方がいい」などと共に首相批判が相次いだという。高名な政治評論家諸氏は唐突に前政調会長岸田文雄を持ち上げ始めた。1年前の総裁選挙までそんなこと一言も言わず、なぜ岸田がいいのか。一斉に言い出したことから「鼻薬をかがされたか」(閣僚経験者)との声も聞こえる。

★政界関係者が言う。「感染拡大で9月中の解散、その後の総裁選挙が難しくなったとの報道があるが、本当だろうか。20日の朝日の1面には『緊急事態 基準見直し検討 政府、宣言常態化避ける狙い』との見出しが躍る。新規感染者が1週間で10万人当たり25人を超えれば『ステージ4』。感染爆発だ。これにあてはめると今はかなりの都道府県がその対象になる。基準を変えれば緊急事態宣言は外すことができる。ゴールポストが動くわけだがそれができるのは首相だけだ。この後もさまざまな動きが水面下で起こるだろうが、主導権はいまだに首相にあるのだ」。今の流れだけで政局を見通すことは難しい。感染拡大の定義すら変えられるなら、この数カ月、選挙が総裁選だけでなく、政府はなんでもありの時代に突入する。(K)※敬称略