(政界地獄耳) しらを切る自民党、そろそろ説明を - 日刊スポーツ(2020年8月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202008220000150.html

★今政界では首相・安倍晋三の体調問題の情報で持ち切りだが、官邸や党本部がいろいろ打ち消そうとしても政界のうわさのスピードは速い。ただ、現実に目を背けてはいけない。20日、IR(カジノを含む統合型リゾート施設)汚職を巡る汚職事件で現職国会議員・秋元司が初公判を控える中、保釈中に事件関係者に口止め買収工作をしていた容疑で東京地検特捜部に逮捕された。自民党は知らん顔だが、事件が発覚し逮捕されるまで自民党の代議士で、その汚職の舞台も自民党としてIR担当内閣副大臣や内閣委員長としてIR法を主導していた時期に当てはまる。

★政界ではすでに終わった事件で、初公判直前の再逮捕に衝撃を受けるとともに、これが官邸の守護神・元東京高検検事長・黒川弘務が今まで防波堤になっていたことを改めて裏付ける結果となった。秋元は先月30日に都内で政治資金パーティーを開いた。離党はしたものの細野豪志と同じく自民党二階派の特別会員として籍を残しており、同日、登壇した二階派副会長で党幹事長代理・林幹雄は「秋元さんは必ず無実を勝ち取って、また一緒に行動できると固く信じております」と持ち上げたが、政界では秋元や林の後ろには党幹事長・二階俊博がいることを印象付けた。

★秋元も「自民党は私から離党させてもらいましたが、落ち着いた頃に当然復党させてもらい、支援者の皆さんのご要望に応えたい」と二階派の期待に応えるあいさつをした。これで秋元は離党しているから関係ないといえるだろうか。収賄容疑よりも口止めの買収の方が政治家としては悪質。また東京地検特捜部にとっても先月31日に就任した特捜部長・新河隆志の初仕事となれば、秋元だけが目的ではないだろう。しらを切る自民党には来週、前法相・河井克行夫妻の初公判もある。こちらも離党しているが、自民党公認候補としての選挙違反だ。自民党は説明責任を果たしたらいかがか。(敬称略)(K)※敬称略