【政界地獄耳】解散談合は与野党とも随分積極的で物分かりがいい - 日刊スポーツ(2021年8月18日)

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★政界が激しく動きだした。17日、立憲民主党共産党、国民民主党社民党の野党4党は国会内で会合を開き、早期の国会開会を訴えた。既に4党が7月16日に衆院議長・大島理森に提出している憲法53条に基づく臨時国会の早期召集要求から1カ月。逃げ回る与党を追い込む腹積もりだ。ただ対決ムードばかりではない。立憲民主党代表・枝野幸男は「コロナウイルス対策のため知恵を出し合う」とし、「建設的に議論していくために首相・菅義偉から与野党党首会談の呼びかけがあれば、積極的に対応する」「緊急で必要な立法措置があれば前例に縛られず、対応する」と協調路線の色合いが強い。

★12日には東京都の新宿、杉並など6首長が会見を開き政府や与野党に対し、次期衆院選の日程を決めた上で、その間を「政治休戦」として力を合わせてコロナ対策せよと訴えている。話し合い解散の勧めだ。それに答えるかのように15日、枝野は「東京の何人かの首長さんが、『もう与野党、政治休戦をして何とかしろ』という提言を先週出されています。私もそういう状況じゃないかと思っています。我々は、もっともっと危機感を持って政府に迫っていきたいし、我々もある意味では、ここは与野党を超えて、やらなければならないと思っている」と対立姿勢は見せるものの、与党との談合解散にかじを切っているようにもみえる。

★一方、政府・与党は臨時国会召集に応じない構え。17日の昼には自民党二階俊博公明党石井啓一両幹事長、自民党森山裕公明党高木陽介国対委員長自民党幹事長代理・林幹雄が集まり意見交換した。与野党中枢の解散談合は政治家にとって合理的かつ合意しやすい材料があるのかもしれないが、国民から見れば談合そのもの。まさに国民に大義を示すことができるか否かだ。しくじれば野党も同罪となる。自分たちの身分を決する選挙については与野党とも随分と積極的で物分かりがいい。(K)※敬称略