【政界地獄耳】東京五輪開幕、ここまでいろいろあったなあ~ - 日刊スポーツ(2021年7月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202107240000066.html

★悲喜こもごもの東京オリンピック(五輪)が開幕した。この五輪開催までの関係者にとって、開会式はどんなものだったのか。開閉会式は開催国や開催都市の特徴や歴史、最先端技術などが披露され、スポーツの祭典でありながら、文化芸術の粋を披露する場所でもある。都知事石原慎太郎時代に1度は落選した招致合戦。2度目の立候補でタレントが「おもてなし」といい、当時の首相・安倍晋三は13年のIOC総会で福島第1原発の汚染水に関し「アンダーコントロール」と説明し、復興五輪と名付けられた。その安倍は20年に「完全な形で開催する」と宣言し、1年延期を決定したものの、開会式には出ないという愚行で締めくくった。

★招致に成功した都知事猪瀬直樹は「コンパクト五輪」でカネはかからないとしていたが、自らのカネの問題で招致から3カ月で辞任。東京五輪のエンブレムに選定されたデザイナーの佐野研二郎はデザイン盗用疑惑で白紙に。その後も国立競技場は国際デザインコンクールで選ばれたザハ・ハディドの当初デザインを予算がかかりすぎると白紙撤回、再コンペで現在のものになったが、建築費は逆に高くなった。19年3月には招致委員会の2億円にも上る裏金疑惑を仏当局が捜査、JOC日本オリンピック委員会)会長・竹田恒和が辞任。今年2月には女性蔑視発言などで元首相で組織委会長・森喜朗が辞任。

★問題はここからだ。3月には演出の総合統括だったクリエーティブディレクター・佐々木宏がタレントの容姿を侮辱するような演出を提案していたことが発覚し辞任。今月19日には作曲の小山田圭吾が辞任、22日には開閉会式演出の小林賢太郎が解任された。内容は周知のとおりだ。22日の会見で大会組織委員会事務総長・武藤敏郎は「昔の行動まで調査するのは実際問題として困難」としたが電通に丸投げし、仲間内を集めた結果でしかない。彼らに五輪憲章への宣誓ぐらいはさせるべきではなかったか。(K)※敬称略