【政界地獄耳】注目は東京五輪汚職にダンマリ決め込む小池 - 日刊スポーツ(2022年9月16日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209160000084.html

東京オリンピック(五輪)・パラリンピックを巡る汚職事件は組織委員会ルート、電通スポンサールート、政界ルートが同時に走っているように見える。どこまで広がるか、旧統一教会問題ともども底が見えぬままだが、五輪招致から大会1年延期、そして現在まであまりにもカネがかかりすぎ、国策という名に乗じてそのカネが適切に運用されたかどうかもわからない。そこに群がった広告代理店、政治家、企業の末路は日本経済の混迷と共に教訓とされるだろうか。

★新しい法律が出来たり、国策レベルの事業が行われる時に利権は生まれるといわれるが、これでは利権を生むために五輪招致したのではないかと疑われる。何よりもアスリートたちの努力や夢を利用したことに国民は不快感を持つ。今後の札幌冬季五輪招致活動は事実上の暗礁に乗り上げたといえる。東京五輪のスポンサーが次々と逮捕される様を見ていれば、尻込みすることもうなずけるが、日本のスポンサー企業のお粗末さが世界に与える影響を考えればこの汚職は罪深い。

★さて元首相で元東京五輪組織委員会会長・森喜朗が事情聴取されたり、出版大手のKADOKAWA会長・角川歴彦逮捕などの話題の中、大会の主催地、東京都知事小池百合子が一連の汚職事件についてだんまりを決め込んでいる。6日「捜査中ということもあるので都として推移を注視していきたい」と発言したものの、大会委員長といってもいい小池の沈黙が注目されている。同日、共産党都議団は受託贈収賄事件の全容解明、スポンサー契約やライセンス商品の販売などに不適切な部分がないか、都として調査、検証、大会経費の都民への公表などを求めた。16年、小池が都知事選に出馬した時には「都議会はブラックボックス」「都議会自民党にはドンがいる」などと透明性を売りにしていたが、今では小池がブラックボックスとまで言われているという。(K)※敬称略