【政界地獄耳】小池都知事に自民復党のえさ? その器量が自民にあるか - 日刊スポーツ(2021年7月6日)

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都議会議員選挙では第1党に返り咲いたものの、自民党公明党には厳しい結果となった。自民党本部の選対委員長・山口泰明は「残念ながら自民、公明両党で過半数割れが確実になったことは、どこが足らなかったかを精査し、来るべき衆院選に臨んでいかないといけない」と驚きを隠せない。都知事小池百合子の恐るべきパワーを再認識したのみならずこれから2カ月間開かれる東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの是非だけでここまで都民がはっきりした態度を示し、4年間の議席が確定することに選挙の怖さを知ったことだろう。

★「山口は衆院選挙を戦わず引退するのだからいいが、自公はこれから難しい選択を強いられるだろう。まずは衆院選挙を首相・菅義偉で戦えるのかが問われる」(自民党中堅議員)「衆院だけではない。来年の参院選挙のことを考えると、党はいろいろ覚悟が必要だろう」(自民党参院議員)と一様に地方選挙の結果とは受け止めていない。「その見方は単純すぎる。都議選告示日に副総理兼財務相麻生太郎が、過労で入院した小池に対して『自分でまいたタネでしょう』と発言。前首相・安倍晋三も『歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している』といずれも選挙中に言う必要のない発言で足を引っ張った。首相だけの問題ではない」(自民党ベテラン議員)。

★冷静に五輪の延期や中止を求めた都民に感情をあらわにする政治家の発言がプラスに働くはずはない。ただ自民党はこの劣勢の時に知恵が働く。「都議会では第1党自民党をどう使うかが問われるだろう。だが、国政復帰を狙う小池を敵に回すのなら自民党復党のえさをまくのが最善」(前出自民党ベテラン議員)というが、そこまで自民党に器があるか。(K)※敬称略