http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201809/CK2018092102000156.html
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二十日の自民党総裁選で、党員・党友による地方票での安倍晋三首相と石破茂元幹事長の得票傾向を都道府県別に見ると、首相は大都市部から離れた地方で石破氏に敗れるところが目立った。首相の経済政策アベノミクスの恩恵が地方に十分波及していないことなどへの不満が表れたとみられる。 (川田篤志)
四十七都道府県のうち、首相が石破氏を下回ったのは山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島根、徳島、高知、宮崎の十県だった。うち鳥取、島根、徳島、高知の四県はいずれも参院選の合区対象県に当たる。
首相が一千票差以内の僅差で上回ったのも、山形を除く東北五県、千葉、長野、佐賀、沖縄の九県に上った。一方で東京や神奈川、愛知、大阪、福岡の大都市部では首相が二千票以上の差をつけて勝った。
来年夏の参院選は、合区対象県を含め、地方に多い三十二の改選一人区が勝敗を左右するとされており、首相の地方での苦戦は、不安を残す結果となった。
地方票の投票率は61・74%で、六年前の総裁選と比べ0・77ポイントの微減だった。全国最低だったのは、知事選と選挙期間がぶつかった沖縄県で38・94%。首相、石破氏はともに、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設問題にほとんど触れなかった。
国会議員票を含めた全体の得票率は、首相が68%を占めた。首相は記者会見で、現職首相が立候補したこれまでの総裁選を引き合いに「過去の例を上回る七割近い得票をいただいた」と強調した。だが過去の例は三〜四氏による選挙戦で、今回のような一騎打ちの構図と単純に比較できない面もある。<自民党総裁選> 自民党の最高責任者を決める選挙。同党が衆院で過半数の議席を占める現状では事実上、首相を決める選挙となる。国会議員票405票と党員・党友による地方票405票の計810票で争われ、有効票の過半数を獲得すれば当選する。地方票は従来300票に固定されていたが、2014年に国会議員票と同数に変更。配分も、都道府県ごとの「持ち票」を得票に応じてドント式で割り振る方式から、党本部で全国集計した上でドント式で振り分ける方式に改定した。地方票は今回、19日に締め切られた。