(政治地獄耳) 連動する兵庫県知事選と選挙後の構図 - 日刊スポーツ(2021年3月27日)

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★福岡県知事選挙が保守分裂で党内がざわついていると思ったら、今度は7月1日告示18日投開票の兵庫県知事選挙で自民党県議らからクーデターが仕掛けられた。退任する知事・井戸敏三を支えた副知事・金沢和夫が自民党県議団の支持を得て出馬表明したものの、これに反発する所属県議11人(当初は13人)が「禅譲では全く目新しさがない」と会派を離脱。総務省出身で大阪府財政課長・斎藤元彦を擁立した。

★「ここからが複雑になる」とは大阪府政関係者。「斎藤は吉村府政の財政をつかさどる要。背後には日本維新の会が見え隠れする」。早速、維新代表・松井一郎大阪市長が斎藤を「彼は非常に優秀。兵庫を大改革する思いもある。政策が一致すれば支援したい」と手を突っ込んできた。この先は自民党兵庫県議関係者が続ける。「23日には自民党本部で兵庫県選出の国会議員で知事選対応協議をしたが、何も決まらなかった。ただ、コロナ相・西村康稔ら議員たちの多くは『斎藤でいいのではないか』と言い出した」という。

★今度は自民党関係者が言う。「これには関西の事情が大きく関係する。関西政界は自民党から飛び出した維新の地方議員であふれている。相変わらず選挙も維新は強い。ただ元々は自民党同士というのもある。そして今でも自民党地方議員は自民党を飛び出して維新から出たいと考える者も多い。それを前提に西村と維新関係者の接触が背景にある。西村は多分、何らかの特命を上から受けているのだろう。最終的には自公維連立政権へのキックオフが兵庫県知事選なのではないか。政界には早期解散説もあるが、デジタル庁法成立後の解散だろう。兵庫知事選と選挙後の構図は連動している」。関西政界の動きは速い。(K)※敬称略