【政界地獄耳】多様性の否定を声高に主張…「連合」崩壊加速か - 日刊スポーツ(2021年10月9日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202110090000086.html

★「ジェンダー平等」「多様性推進」が最近の連合の売りなはずなのに、連合新会長に就任した芳野友子は7日、初の会見に臨み、立憲民主、共産両党が政権交代時に共産による「限定的な閣外からの協力」で合意したことに対し、「連合はこれまでも共産の閣外協力はあり得ないと主張している」と支援母体の立場を逸脱。「現場では選対にも共産党(関係者)が入り込んで、立憲、共産両党の合意をたてに、さらなる共産党政策をねじ込もうとする動きがある。立憲には混乱がないよう選対をしっかりコントロールしてほしい」と政党が決めた方針を無視して多様性の否定を声高に主張した。

★連合は20年9月、次期衆院選について「共産党を含む野党共闘にはくみしない」との内容を含む基本方針を確認していることを念頭に、同席した会長代行・松浦昭彦は「推薦取り消しになるケースもあり得るが、そうならないようにするのが基本スタンスだ」と同調。「物差しで1メートル超えたらアウトか、50センチでアウトか。個々の候補者の動きを見て対応したい」とあたかも政党を指導するかのような上から目線の態度に終始した。連合とはそう言った高圧的な態度をとる会社に対して戦ってきた組織だと思っていたが、政党に介入して最近は恫喝(どうかつ)もするようだ。

★連合の前身、総評と同盟は当時の社会党民社党への介入が著しく、人事にも口を出した。その教訓から連合は政党への政治介入をせずとしてきたはず。政党の路線決定が気に入らなければ支援しなければいい。国民も既に連合が労働者の代表などとは思っていないし、総選挙目前に就任会見で恫喝する会長に多様性の推進などできるとは思わない。立憲民主と国民民主に分裂した2党のおかげで連合自体が混乱していることはわかるが、既に民間労組系の一部は連合から分離し、第2経団連化を進めているようだ。この2党と組むより「自民党」や「上田新党」「小池新党」と組みたがっている勢力もあるようで、今回の総選挙は連合崩壊が加速する可能性を指摘する声も政界にはある。(K)※敬称略