【政界地獄耳】立憲民主党代表交代で野党共闘解消へ? - 日刊スポーツ(2021年11月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111050000044.html

★落選した議員の部屋の片づけと、当選祝いのコチョウランが行きかう悲喜こもごもの議員会館立憲民主党の議員に呼び止められる。代表選挙の受け止めを聞かれる。すると別の議員も「どう思うか」と探りを入れてくる。党代表・枝野幸男の辞任による代表選挙は国会議員に加え党員らが投票に参加する代表選挙戦を12月までに実施し執行部を刷新する。元来4年前、希望の党に排除された者たちで作った立憲民主党も所帯が大きくなることで、みんなの党日本維新の会と同様、個人商店では組織が持たなくなる。結党からのこの4年間で分裂した国民民主党との再合流も曲がりなりにも実現したが、野党勢力の拡大を模索した枝野の政治手法では荷が重すぎたか。

★自著「枝野ビジョン」では「保守」を強くうたって保守層を取り込み、連合の嫌みに耐えながら共産党とも選挙協力を図るという動きを見せたが、そのプロセスは不透明で後ろ向きなものだった。何とか党勢拡大をと努力した。得票も伸びたし、部分的には共産党との選挙協力もうまくいった。しかし、09年の民主党政権時に当時の党代表・小沢一郎が仕掛けた共産党候補の出馬辞退作戦のように首尾よくは進まなかった。

★代表選挙は党政調会長泉健太、旧自治官僚・小川淳也、元財務官僚・大串博志などの名前が取りざたされているが、今の執行部の幹部を含め立憲の主要議員は財政規律派が多い。古くは元財務相藤井裕久野田佳彦、野田政権の財務相安住淳と幹部は民主党政権から引きずる消費税の3党合意順守派がいまだに党を牛耳る。「つまり党内の消費税減税派は党内非主流派で、れいわ新選組共産党などの消費税減税政策と今後は政策を同じくすることはないだろう。自動的に野党共闘は解消の道を歩むのではないか」(立憲政策関係者)。また野党第1党は嫌な空気に包まれ始めた。(K)※敬称略