https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190929/KT190927ETI090010000.php
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「日本選手のここが許せない」。海外の柔道家が言ったそうだ。銀メダルを手にしているのに表彰台で悔し涙を流している。自分の力不足、精神の弱さを嘆くコメントばかり。自分に勝った金メダリストの素晴らしさもたたえない―と
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それを聞いて「ハッとしました」と日本女子柔道のパイオニアで五輪銅メダリストの山口香さんが本紙に語っている。選手は皆頂点を目指して力を尽くす。でも、相手に敬意を払わず、自分しか目に入らないなら勝利至上主義と批判されても仕方がない
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8月の世界選手権に父の母国カナダの代表として出場、優勝した出口クリスタ選手(塩尻市出身)も3位だった前回、「悔しさしかなかった」。でも、カナダの人々は笑顔で迎えた。「負けてもコーチに怒られない。みんな楽しみながら柔道をしている。試合が楽しみになった」
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大舞台を楽しむ感覚は「理解できる」と山口さんは言う。極度の緊張や恐怖の中でこそ、強い相手と最高の戦いができる―。その期待感は日本選手も同じと思うが、思い詰めたような表情が少し気になる。国の威信まで背負わされているのなら気の毒だ
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スピードスケートの小平奈緒選手は平昌五輪で勝利した後、涙ぐむライバルの肩を抱いて「あなたを尊敬している」と言った。メダルの色や数ばかりにこだわっていては到達しえぬ境地だろう。国境を超えて人が磨き合い、認め合うのが五輪だ。その原点を見つめる東京五輪になればいい。