(政界地獄耳)「永田町文学」で憲法改正の駆け引き - 日刊スポーツ(2019年9月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909260000062.html
http://archive.today/2019.09.26-002221/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909260000062.html

★政界関係者が言う。「国会開会直前に与党の幹事長がこんなこと言うかね」。24日、自民党幹事長・二階俊博は会見で「憲法改正は他のいかなる議案よりも重要でありますから、慎重の上にも慎重にやっていきたいと思っております」と言いだした。今国会は前国会が衆院で3月から、参院で4月から開かれていないこともあり、さまざまな問題が山積。それでなくとも台風15号の被災者など今年も夏の災害に見舞われたところも多く、激甚災害指定などまず最初に法案を通さなければ動きださない問題も多い。

自民党議員が言う。「この発言だと憲法改正が最重要で、何よりも最優先で最初に審議するように聞こえるだろう。だがよくよく聞けば『重要だから慎重の上にも慎重に』に力点が置かれているのではないか。ここが二階の老獪(ろうかい)さ。大事だから慎重にやる、つまり強引に事は運ばない、実際には、はれ物に触るような扱いになり身動きが取れなくなることを示唆しているようにも取れる」。永田町文学を使いこなせる政治家も減ったが、この行間を読める議員も減ったということか。

★こんな分かりにくく回りくどい言い方が政治を分かりにくくした理由でもあるが、この一言から政治が始まる場合もある。野党も二階発言を分析しながら戦術を練るだろう。これが国会開会直前の与党幹事長の仕事でもある。それでも党内は幹事長の「他のいかなる議案より重要」に力点を置き額面通り進める。政界全体を巻き込む発言だ。昨今の政治はツイッターの短文のような、〇か×かの政治を政治家も求められる。しかし、政局を作る与党の政治は〇と×のはざまにあるグレーゾーンを作ることから始まる場合もある。この駆け引きについていかれるかどうか。発信力が自慢の閣僚も二階の永田町文学を「古い政治」と一蹴せず、学ぶ必要があるのではないか。ストレートな物言いと含みのある発言を使いこなしてこそ発信力というのではないか。(K)※敬称略