(政界地獄耳) 内閣「改造」ではなく「一部入れ替え」 - 日刊スポーツ(2019年9月6日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909060000117.html
http://archive.today/2019.09.06-003508/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909060000117.html

★来週11日の内閣改造と党人事を前に骨格が固まったとの報道が続く。しかも連日ちょろちょろとこぼれ出てくる。内閣改造にかかわらず、人事はどの記事の場合も慎重になるものだが、また各紙でポストや名前が微妙に違うものだが、相変わらず各社とも一糸乱れぬ情報だ。安倍内閣の改造時の特徴だが、小出しにしながらさしてぶれがない。首相が外遊中でも情報が絶え間なく出てくる。つまり一本化された情報源から出てくるのだろう。

官房長官菅義偉、副総理兼財務相麻生太郎の留任。幹事長・二階俊博の続投と、それに伴い幹事長代行・萩生田光一の続投も報じられた。また政調会長岸田文雄も続投。閣僚人事では経済再生相・茂木敏充の外相横滑りも一斉に報じられた。党3役の2人が留任、官房、財務、外務といった主要閣僚が固まっていれば、あとは例によってポストは決まらないものの、「入閣が固まった人たち」という謎の入閣候補がまもなく報じられる。これまたおかしな仕組みとしか言いようがない。それでは適材適所とは言い難い。

★これを内閣改造というのだろうか。これは毎度のことながら骨格を残しているのだから改造とは言わず、内閣の一部入れ替えでしかないのではないか。また、これでは首相にはポスト安倍を全く育成する気がないことがよくわかる。いまだポスト安倍とは自分を蹴落とそうとするライバルに見える証左といえよう。いずれにせよ、国民や議会の閣僚の査定もできぬまま、また大臣が代わるだけということになる。ただ最近、たるんだ政務官が相次いでいる。彼らの責任の追及や任命責任について問うことはないのだろうか。韓国には閣僚指名のあとの議会の聴聞があるが、その仕組みがうらやましい。(K)※敬称略