https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190408/KT190407ETI090001000.php
http://archive.today/2019.04.10-012140/https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190408/KT190407ETI090001000.php
要求したいことを実現するにはどうすればいいか? 答えは署名を集める、地元新聞に投書する、デモを行う、政治家に連絡する―。スウェーデンの教科書は「決定に影響を与えるこつ」をこう記す。対象は大学生ではない。小学生だ
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明治大教授の鈴木賢志さんが翻訳した「スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む」から引いた。投票率が高いことで知られ、2014年の国政選挙は86%を記録している。鈴木さんは小学生からの教育に理由があると考え、教科書を手に取り驚いた
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今の決まりは絶対ではない。自分の意見に合う政党がなければ新政党をつくってもいい。投票は民主制の権利―。社会と関わる意義を教える姿勢が顕著だ。<考えよう>のコーナーは他国の投票率低下を挙げ「半数以上が選挙権を使わなければ民主制はどうなる?」と問うている
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同じことを真正面から受け止めねばなるまい。きのう投開票された県議選である。投票率は過去最悪を更新して前回に続き5割を割り込んでいる。好天の日曜日。投票が面倒だったとするのなら、原因は県会にあるのか、有権者にあるのか。それとも…
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県政の課題は多い。人口減が止まらず、財政の将来見通しは不明確だ。県会は役割を果たしているか。厳しい現実を自分の問題として捉えることを、この国の教育は置き去りにしてきたように思える。スウェーデンの教科書には先の質問の答えは書かれていない。私たちが探す必要がある。
スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか
- 作者: ヨーランスバネリッド,G¨oran Svanelid,鈴木賢志,明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2016/12/09
- メディア: 単行本
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