<金口木舌>「短ラン」減っても非行は増加 - 琉球新報(2019年3月23日)

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変形学生服の「短ラン」や「ボンタン」に身を包んだ中学生を久しぶりに見掛けた。一目で「やんちゃ」と分かるような格好をした中学生が街を闊歩(かっぽ)していた時代に比べ、「不良スタイル」は少なくなった印象を受ける

▼だが統計上では非行が増加している。文部科学省の問題行動調査で、2017年度の県内の国公私立小中高校で、対教師や生徒間、器物損壊などの暴力行為発生件数が前年度より597件増え、過去最多の2042件に上った
▼欠席が年間30日以上となる不登校は小中で2589人(前年度比176人増)、小中高と特別支援学校のいじめの認知件数は1万2580件(前年度比98件増)。暴力行為、不登校、いじめのいずれも過去最多を更新した
▼教室での授業や課外活動などを通して集団生活を学ぶ学校は、社会に出て自立するために重要な役割を果たす。しかし、学業から生活面まで全て学校任せにするのは教員の負担が重すぎる
浦添市内の若手経営者らでつくる出店「高江洲一座」。イベントのたびに出店し、収益を子どもたちのために寄付する活動を展開している
▼発起人の高江洲義継さんは「子どもたちの居場所をつくりたい」と話す。少年に声を掛け、食事の世話をすることも。学校や行政と協力し、沖縄の将来を担う子どもたちを地域で守ろうという心意気に一筋の光を感じる。