(本音のコラム) 山口二郎さん 生命の尊さ - 東京新聞(2019年3月17日)

救うべき命と救わなくてもよい命が区別できるという議論を始めたら、個人の尊厳、平等という近代社会の根本原理は崩壊する。生きるに値する人と値しない人をどう識別するか。それが可能だと言い出せば、生きるに値しない人間を大量にガス室で抹殺したナチスの思想に限りなく近づいていく。われわれは正気を保たねばならない。

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