外国籍生徒の指導法探る 教研集会、北九州で開幕 分科会で議論、事例報告 - 西日本新聞(2019年2月2日)

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/483857/
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全国から延べ約1万人の教職員が参加する日教組の教育研究全国集会が1日、北九州市で始まった。3日まで。国際連帯や多文化共生についての分科会では、4月の改正入管難民法施行に伴う外国人労働者の受け入れ拡大を見据え、外国とつながる子どもたちに対する公教育の在り方について活発に議論が交わされた。
神奈川県立高の井上恭宏教諭(56)は、昨年3月まで10年間勤務した通信制の横浜修悠館高での取り組みを紹介した。在籍する約2千人のうち、約150人が自身や保護者が外国籍を持つ生徒。ルーツはフィリピンが多く、いじめなどを原因とする不登校を経験した生徒が大半だという。
外国籍の生徒はクラスを分散させていたが、きめ細かな指導ができるよう2011年度以降は一つのクラスに集め、生徒同士の交流が深まるよう力を入れた。いじめや差別など苦労してきた経験を語る生活体験発表にも取り組み始めた。
「思い思いのスタイルで高校生活を送っていて、違うのが当たり前。『私は私でいいんだ』と感じる」「自分で自分が認められるようになってきた」。発表を経て生徒たちの自己肯定感が高まったという。井上教諭は「日本語習得には、教師と生徒の距離が近く一対一で学べる通信制のメリットが生かせる。通信制だからできることを生徒と一緒にやればよいと考えるようになった」と振り返った。
文部科学省によると、16年度の日本語指導が必要な公立高校の生徒数は3372人。神奈川県が全国最多の642人で、九州は熊本県5人、鹿児島県4人、長崎県3人。一方、福岡県教育委員会によると、同県の生徒数は昨年9月の調査で26人に増えているという。分科会に参加した福岡県の小学校の女性教諭は「把握できておらずサポートが必要な生徒が他にもいるかもしれない。問題意識を持って指導の方策を考えていくことが必要だ」と語った。