暴力調べるアンケート、直後に廃棄 長洲町の中学、女子生徒がPTSD発症 - 西日本新聞(2016年12月25日)

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/297820
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熊本県長洲町の中学校で2012年2月、当時1年の女子生徒が同級生に暴力を振るわれた問題を受けて学校が実施したアンケートについて、町教育委員会は24日、学校側が実施直後に廃棄していたと明らかにした。
町教委によると、女子生徒が授業中に男子生徒から暴行を受けるなどしたため、校長から指示を受けた担任教諭は、クラスメート約30人を対象に被害状況を調べるアンケートを実施。教諭は結果を取りまとめて校長に口頭で報告した後、個人の判断で1カ月以内に廃棄したという。
学校側から12年9月にアンケート結果を口頭で説明された両親は、13年6月以降、回答用紙のコピーの開示を学校側に継続的に要請。学校側は14年1月、既に廃棄されていたにもかかわらず「個人情報に当たる」などとして拒否していた。
女子生徒は15年2月、暴力により心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したなどとして、町と男子生徒の両親を相手に損害賠償を求めて提訴し、熊本地裁で係争中。町教委は今回のアンケート用紙の廃棄について「公文書ではなく、内容も口頭で両親に説明しており、廃棄が不適切だったとは言えない」と釈明している。