北方領土“帰属”「交渉していない」 TBS NEWS(2019年1月22日)

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3579714.html
http://archive.today/2019.01.24-052612/https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3579714.html

ロシアで北方領土の引き渡しを警戒する声が高まる中、ロシア外務省が今月に入り、日ロ間では去年、北方領土の帰属問題について「交渉していない」と国会議員向けに説明していることが明らかになりました。
これはJNNが入手したロシア外務省の事務方トップ、モルグロフ外務次官からロシア下院国際問題委員会のスルツキー委員長にあてた今月11日付けの書簡で明らかになったものです。この中で、モルグロフ氏は去年、北方領土の帰属問題について「日本側と交渉を行っていない」としています。
また、平和条約問題の対話の枠内で、去年2月と10月以降に行われた日ロ外相会談と次官級協議では、北方領土の「共同経済活動の実施のみが協議されていた」と説明しています。しかし去年11月、安倍総理プーチン大統領との間で平和条約締結後、色丹島歯舞群島の日本への引き渡しを明記した1956年の「日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させる」ことで合意しています。
ロシア国内では、北方領土の引き渡しへの警戒感が強まっていて、今回の書簡からは沈静化を図りたいロシア外務省の思惑がうかがえます。ただ今後、日ロ間の交渉次第では、ロシア政府が議会や世論の反発を交渉の追い風とする可能性もあり、日本としては気の抜けない交渉が続きます。