http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018101502000120.html
http://web.archive.org/web/20181015061855/http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018101502000120.html
来年十月からの幼児教育・保育無償化を巡り、給食費を無償化の対象にするかどうかの議論が始まった。このまま無償化すると保育所だけ給食費の負担が減る仕組みになっており、全額実費徴収の幼稚園との間に格差が生じる。政府は給食費は無償化と切り離して実費徴収としたい考えだが、保護者や施設側から反発も予想され、難しい判断が求められる。
内閣府によると、無償化対象となる認可保育所などの子ども一人当たりの給食費は主食(ご飯など)が月三千円、副食(おかず)が月四千五百円。幼稚園は弁当持参の日もあるため園によって金額に幅があるが、全額実費で納める。保育所ではゼロ〜二歳は全額、三〜五歳は副食が保育料に組み込まれている。
来年十月から無償化の対象となる三歳以上で見ると、幼稚園に通う子は全額実費負担だが、保育所に通う子は主食のみの負担となり、不公平が生じる。
政府は五月にまとめた、認可外保育所などの無償化措置を考える検討会の報告書で、通園送迎費や給食費、行事費などは原則無償化の対象から外すべきだとの見解を示している。
今月九日に開かれた政府の子ども・子育て会議では「義務教育と同じように、基本的に自己負担でいいのではないか」「食育は教育の根幹で、実費徴収はなじまない」と、委員の間で賛否が割れた。全国私立保育園連盟の塚本秀一常務理事は「現在実費徴収していない保育所も徴収することになれば、(事務が増えるなど)現場は混乱する。未納への不安の声もある」として公費負担を求めた。
一方で、保護者の間には実費徴収になれば「どんな食材を提供しているか施設に聞きやすくなったり、調理に力を入れてくれたりするのではないか」との期待もある。<幼児教育・保育の無償化> 2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に実施される。子どもの年齢によって無償化対象は異なる。3〜5歳児は所得制限を設けず、幼稚園や認可保育施設の利用を無料にする。ただし幼稚園は月2万5700円が上限。0〜2歳児の無償化は住民税非課税世帯のみ。認可外保育施設は3〜5歳児が月3万7000円(認可保育所の保育料の全国平均額)の補助で、自己負担が残る場合もある。