http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018092902000132.html
https://megalodon.jp/2018-0929-1001-10/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018092902000132.html
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを、対岸の大分県の住民が求めた仮処分申し立てに対し、大分地裁は二十八日、差し止めを認めず、却下する決定をした。佐藤重憲裁判長は争点だった阿蘇山の噴火リスクについて「運用期間中に破局的噴火が差し迫っているとは言えず、原発は安全性に欠けない」と判断した。住民側は即時抗告する方針。
3号機を巡っては、昨年十二月に広島高裁が阿蘇山の噴火リスクを根拠に運転を禁じたが、今月二十五日に高裁の別の裁判長がこの決定を覆した。四国電は十月二十七日の再稼働を予定している。
大分地裁は、阿蘇山の地下にあるマグマだまりの状況や火山活動履歴に基づき、破局的噴火が生じる相応の根拠はないと指摘。原発立地の適否を考慮する上で「社会通念上、無視できる危険だ」とした。
伊方原発は長大な活断層「中央構造線断層帯」に近く、南海トラフ巨大地震の震源域に入る。住民側は、四国電が算定した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)は過小だと主張した。
決定は、東京電力福島第一原発事故後に定められた新規制基準は合理的とし、四国電が示した耐震性も妥当と評価した。3号機を巡る同様の仮処分申し立ては、高松高裁や山口地裁岩国支部でも係争中。