(政界地獄耳)総裁選白けて安倍陣営どう喝路線 - 日刊スポーツ(2018年9月18日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201809180000200.html
http://archive.today/2018.09.18-011427/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201809180000200.html

★ひとつ自民党の国会議員や党員、党友に確認しておきたいことがある。本来の総裁選挙は党員たちが党首を選出するわけだから、党外の人間はどうぞご自由にということになる。それは結構だが、自民党の総裁選挙は事実上の首相選出選挙となる。誰が選ばれても国民は手出しができない。だがこの総裁選挙で話し合われたことや政策は、勝った方だけの政策が実行されるのだろうか。

★今までの普通の自民党ならば選挙が終われば同じ党の仲間なのだからとノーサイドが宣言され、対立候補も主要ポストで迎え入れられたものだ。だがこの総裁選挙では安倍陣営は選挙戦当初から、「冷や飯を食わせるとか、干してやるとか、いろいろとおどろおどろしい話がありますが、そんなバカなことがあるかと」(8月7日、元幹事長・石破茂発言)など、冷たい感じのする総裁選挙だ。すると今度は兵庫選出の官房副長官西村康稔が「石破の街頭演説に参加すれば、将来に差し障る、石破支援を控えろ」と県議をどう喝したという報道が出た。

★続いて石破派に属する農相・斎藤健が安倍陣営から「石破を応援するんだったら辞表を書いてからやれ」といわれたというのだ。斎藤は名前を明かさなかったが、こんなありさまだと石破が総裁選挙で訴えた政策を安倍政権はことごとく否定する可能性がある。それでは総裁選の意味も知恵もない、暴力団の縄張り争いのような話に成り下がってしまう。しかし、この安倍陣営どう喝路線の行き先は国民に向けてのどう喝で収れんするのではないかと思うと、一連の総裁選挙の話題が白けていかにもつまらないものになってしまう。どう喝に首相は「私はやっていない」と答えそうだが、陣営のトップとしての責任はないのか。何やら国会答弁の逃げ口上が思い出される。(K)※敬称略