きょう73回目の長崎原爆の日 核廃絶へ「被爆者と連帯」グテレス国連事務総長も参列 - 長崎新聞(2018年8月9日)


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長崎は9日、原爆投下から73回目の「原爆の日」を迎えた。長崎市松山町の平和公園で営まれる「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」(平和祈念式典)には米国やロシアなど核保有8カ国を含む71カ国の大使らが参列を予定。初めて参列する国連のグテレス事務総長は8日、市内で田上富久市長や中村法道知事、被爆者らと面会、核廃絶を目指し「長崎、広島、被爆者と連帯するためここに来た」と述べた。
平和祈念式典には遺族や被爆者、安倍晋三首相らも参列。午前10時40分に開始し、7月末までの1年間に死亡が確認された3511人の原爆死没者名簿4冊が奉安される。名簿には核廃絶運動を長年けん引し、昨年亡くなった谷口稜曄(すみてる)さんと土山秀夫さんも含まれる。累計で17万9226人分となる。
原爆投下時刻の11時2分に黙とうする。田上市長は「長崎平和宣言」で、核保有国に核軍縮への誠実な取り組みを求め、日本を含む世界各国に核兵器禁止条約への署名、批准を訴える。
長崎で被爆した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員、田中熙巳さん(86)=埼玉県新座市=が県外在住者として初めて被爆者代表の「平和への誓い」を務め、核禁条約や憲法9条への思いを述べる。
 式典映像は、長崎原爆資料館(平野町)と長崎ブリックホール(茂里町)でも生中継する。県内各地で平和集会や追悼行事が開かれ、長崎は祈りに包まれる。
8日、中村知事は、面会したグテレス事務総長に対し「核のない世界を実現するには被爆の実相を理解することが大切」と述べ、各国の指導者に被爆地訪問を働き掛けるよう求めた。
同日夜は平和公園で子どもたちが作った約3800本のキャンドルが点灯され、平和を願うコンサートが開かれた。