https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26566540W8A200C1ACX000/
http://archive.today/2018.02.06-012434/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26566540W8A200C1ACX000/
福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」の再審請求を巡る即時抗告審で、福岡高裁(岡田信裁判長)は6日、殺人罪などで死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年・元死刑囚(当時70)の再審請求を退ける決定をした。妻が再審を求めていた。
元死刑囚と犯人の型が一致したとする当時のDNA鑑定結果や、元死刑囚が所有していた車と特徴が一致する不審車両の目撃証言の信用性などが争点だった。
弁護側はDNA鑑定について専門家に依頼し当時の鑑定を検証。被害女児に付着していた血液のDNA鑑定のネガフィルムを解析し「元死刑囚と別人のDNA型が見つかった」と主張した。
不審車両の目撃証言についても心理学の専門家による鑑定書を提出し、証人のように多くの情報を詳細に記憶するのは不可能だと指摘。事前に元死刑囚の車を下見して特徴を把握していた捜査官によって誘導されたものだとした。
福岡地裁は14年3月、DNA鑑定については一部信用性が低いと認定した一方で、目撃証言は検察側主張を支持。DNA鑑定以外の状況証拠などを総合すれば有罪判定は揺るがないとして、再審を認めなかった。
高裁での即時抗告審でも弁護側は地裁の判断の誤りや検察側の主張の矛盾などを主張し、改めて「真犯人は別にいる」と無罪を訴えていた。
確定判決は、元死刑囚が92年2月、飯塚市で女児2人(いずれも当時7歳)を誘拐して殺害し、遺体を山中に遺棄したと認定した。元死刑囚は一貫して無罪を主張したが、一審・福岡地裁が99年に死刑を言い渡し、06年に確定。死刑は08年に執行された。