(筆洗)サーローさんの言葉や核兵器廃絶に向けたすべての取り組みこそ光で - 東京新聞(2017年12月12日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017121202000118.html
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建物内で非常口の場所を教えてくれるピクトグラムの標識といえば、世界でも使用される緑色の走っている人。暗闇でも目に飛び込んでくる色とデザインである。
海外では「ランニングマン」とのニックネームもあるが、もとは日本生まれ。一九八七年に国際標準化規格に組み込まれたというから今年で国際化三十年である。世界に貢献する日本人のお一人と言いたくなる。
図柄の「ランニングマン」はどこへ向かっているのか。その足元の影を見れば、光のある方向である。「あきらめるな。頑張れ。光が見えるか。それに向かってはっていくんだ」。その日本生まれの女性も、「光の方向へ向かって」と大声で教えようとしている。ノーベル平和賞の授賞式で、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の一員として演説した、サーロー節子さん(85)である。
十三歳のとき、広島で被爆した。演説の言葉は倒壊した建物の中で誰かが掛けてくれた励ましの言葉であり、そのまま、核兵器廃絶に向けた決意の言葉である。
われわれは核兵器使用という深刻な危険のある暗闇から「光の方向へ」と一刻も早く脱出しなければなるまい。
サーローさんの言葉や核兵器廃絶に向けたすべての取り組みこそ光である。まだ、かそけき光か。されど、その光を追いかける者が増えれば「非常口」はより明るく、照らされるだろう。急がねば。