リニア関連工事の入札 不正疑いで強制捜査 - NHK(2017年12月9日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252641000.html
https://megalodon.jp/2017-1209-1428-12/www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252641000.html

10年後の開業を目指して建設が進められている、リニア中央新幹線に関連する建設工事の入札をめぐって不正が行われた疑いがあるとして、東京地検特捜部は偽計業務妨害の疑いで関係先として大手ゼネコン「大林組」の本社などを捜索し、強制捜査に乗り出したことが関係者への取材でわかりました。特捜部は巨大プロジェクトの建設工事で不正が行われた疑いがあると見て、幹部から任意で事情を聴くなどして、実態解明を進めるものと見られます。
リニア中央新幹線は、東京・大阪間を1時間余りで結ぶ総工費およそ9兆円の巨大プロジェクトで、JR東海が建設主体となり10年後の2027年に東京・名古屋間を、2045年までに東京・大阪間の全線を開業する予定で建設が進められています。
このリニア中央新幹線に関連する建設工事の入札をめぐって不正が行われた疑いがあるとして、東京地検特捜部が偽計業務妨害の疑いで関係先として大手ゼネコン「大林組」の東京 港区の本社などを捜索し、強制捜査に乗り出したことが関係者への取材でわかりました。
大林組JR東海からリニア中央新幹線の複数の建設工事を受注していて、特捜部は関係する資料を押収したものと見られます。
特捜部は巨大プロジェクトの建設工事に絡んで不正が行われた疑いがあると見て、大林組の幹部から任意で事情を聴くとともに、捜索で押収した資料を分析し、実態解明を進めるものと見られます。
大林組「捜査に全面協力」
NHKの取材に対し、大林組は「きのう東京地検特捜部から捜索を受けたことは間違いありません。捜査中のため、詳細については回答を差し控えますが、特捜部の捜査には全面的に協力して参ります」とコメントしています。
JR東海「驚いている」
これについてJR東海は「報道で把握したばかりであり、大変驚いている。当社としては何も承知していない」とコメントしています。
リニア中央新幹線とは
東京と名古屋、大阪を結ぶリニア中央新幹線は、JR東海が建設主体となり、10年後に東京・名古屋間の開業を目指して現在各地で工事が進んでいます。
リニア中央新幹線は東京と大阪の438キロメートルを最短1時間7分で結ぶプロジェクトで、東京・名古屋間は10年後の2027年に、2045年に東京・大阪間の全線を開業する計画です。国は建設を資金面で支援し、全線開業の時期を計画より最大で8年前倒しする方針です。
JR東海によりますと総事業費は9兆300億円で、ことし9月末の時点で東京から愛知県までの間の20の工区で建設会社などと工事の契約を結んでいます。
現在は、東京の品川駅の地下に専用の駅を作る工事や、岐阜や長野、山梨でトンネルの掘削工事などが進められています。
JR東海によりますと、大林組はこのうち東京の品川駅の真下、地下40メートルに設置される駅の工事や、愛知県の名古屋駅の工事などを受注しているということです。