(政界地獄耳) インパール作戦に酷似の無謀リニア事業 - (2019年3月23日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201903230000118.html
http://archive.today/2019.03.23-011421/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201903230000118.html

★18日、リニア中央新幹線ゼネコン4社談合事件の裁判が始まった。品川と名古屋の駅建設での鹿島と大成建設独占禁止法違反を問う裁判だが、既に同じ入札に参加した大林組清水建設は違反を認め罰金刑が確定している。なんともおかしな裁判だが、もたついているのはこれだけではない。07年当初は純粋な民間投資だったが、JR東海は既に開業延期を発表している。原因は資金不足ともいわれる。品川~名古屋の総工費は5兆5000億円あまり。政府は16年6月、リニアに財政投融資3兆円投入を決めているが公的資金注入後もなお暗雲立ち込めている。

★それでなくとも難工事が予想される。17日、山梨県山梨県立大学前学長・伊藤洋が講演し「トンネルで貫く南アルプスは10年で数センチ隆起していて危険。計画時と比べ日本経済も低迷し大きな効果は期待できない。無計画で実行され、多くの犠牲が生まれたインパール作戦(第2次大戦での旧日本軍のインド方面侵攻作戦)とよく似た構図。無謀で無益な事業だ」と断じた。

★名古屋財界の中にも「本当にできるのか」「総予算が膨らむばかりでは開通してもペイしないのではないか」との懸念も広がる。「JR東海が出資もし、技術協力しているテキサス・セントラル・レイルウェイのダラス~ヒューストンを結ぶ新幹線構想もうまく進んでいない。ヴァージントレインズUSAが同様の路線計画を発表するなど不確定要素も多い」(名古屋財界関係者)。そんな中、JR東海には極秘のプランBがあるという。政界関係者が言う。「リニアの工事は今も一進一退。大阪までの延伸などもう無理ではないかとの声もある。最後はリニア断念。その中にはプランBといわれるものがあって、東海道新幹線の高速化や複々線化など検討事項があるようだ」。この国の都市の在り方に一石を投じそうだ。(K)※敬称略