http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201709/CK2017092802000189.html
https://megalodon.jp/2017-0928-0909-27/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201709/CK2017092802000189.html
来月6日に発表されるノーベル平和賞で、2014年から3年連続候補になった「憲法九条を保持している日本国民」が今年は対象から外れた。アピールしてきた相模原市の市民団体が明らかにした。今回の受賞はなくなったが、憲法は次期衆院選の争点の一つ。グループはさらなる世論喚起に意欲を示している。 (井上靖史)
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会によると、国会議員や大学教授らによる推薦が締め切られた直後の二月、ノーベル委員会に確認したところ「日本国民は対象ではない」と回答があった。昨年までは候補だと事前に説明を受けていた。実行委共同代表の鷹巣直美さん(40)は「最近の選挙結果を見て、日本が憲法を壊そうとしていると考えたのではないか」と推測した。
活動が始まったのは、第二次安倍政権が発足して間もない二〇一三年一月。改憲に向けた動きが活発化しつつある中、二児の母でもある鷹巣さんがインターネットで「九条にノーベル平和賞を」と署名活動を始めたのがきっかけだった。賛同者は年々増え、今年八月現在で七十三万千筆に上る。
この四年間、政治情勢に大きな変化が見えないどころか、「多くの憲法学者が違憲とする安全保障関連法の整備など、憲法を無視した政治を政権は進めた」と鷹巣さん。同法で自衛隊の役割を広げた上で、憲法に位置付けようとする動きを「ずるい」とみる。
ノミネートから外れても活動は緩めない。「安保関連法の違憲訴訟や、選挙での野党共闘の推進、国会前や人が集まる横浜・桜木町でのデモなどを通じて世論喚起をしていきたい。日本国民の代表として受賞するのにふさわしい首相が選ばれるよう、行動していく」と訴えた。
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実行委はノーベル平和賞の発表を多くの人と見守るパブリックビューイングを六日午後五時から、相模原市南区相模大野のユニコムプラザさがみはら実習室1で開く。本年度の活動報告もする。参加無料。問い合わせは実行委=電090(9159)5363=へ。