待機児童3年連続で増加 育児休業の拡充も必要だ - 毎日新聞(2017年9月5日)

https://mainichi.jp/articles/20170905/ddm/005/070/045000c
http://archive.is/2017.09.05-002348/https://mainichi.jp/articles/20170905/ddm/005/070/045000c

認可保育所などに入れない待機児童は今年4月時点で2万6081人で、前年より2528人多い。3年連続での増加だ。
政府は保育所の増設を急ぐだけでなく、正確なニーズ調査を行い、総合的な対策を講じる必要がある。
これまで待機児童の定義は自治体によって異なっていた。今年度から厚生労働省が定義を見直し、保護者が育児休業中でも復職の意思があれば待機児童に含めることになった。
今回の増加分の中にはそうした「隠れ待機児童」が含まれている。ただし、古い定義のまま報告した自治体もあり、本当の待機児童数がもっと多いのは明らかだ。
どれだけ保育所を作っても足りなくなるのは、働き手不足で女性の就労が促進され、夫婦共働き世帯が増え続けていることが挙げられる。保育所を新設すると、働くことをあきらめていた女性のニーズを掘り起こすからだとも言われる。
親の意向調査では、低年齢の時は手元で育てたいと答える人が多い。政府も育休の期間を1年半から2年へと延長する法改正を行った。
ところが、待機児童のほとんどは0〜3歳だ。それはなぜか。
育休中の補償は6カ月までが賃金の67%、それ以降は50%だ。1年以上職場を離れると復職しにくくなり、望んだ仕事ができなくなるとも言われる。会社から退職を求められるケースさえある。
男性の育休取得率は極めて低いままで、女性にばかり育児負担がのしかかる状況も変わらない。
さらに、0歳の時に保育所を確保しておかないと、希望する保育所に入れない場合が多いとされる。
保育所と育休は子育て支援の両輪である。男女が協力してもっと育休を取れるようになれば、保育所の待機児童の改善につながる。
保育サービスが充実して待機児童がいないとされるスウェーデンでも、1歳半までは手元で育てる保護者が多い。育休の拡充に向けた制度改革が必要だ。企業と男性の意識改革も急がねばならない。
保育所の財源は税、育休は雇用保険と縦割りであることも、両者の効果的な連動の支障になってはいないか。あらゆる政策を検証し、待機児童問題の改善に努めるべきだ。