「加計」逃げ切り、政権狙う 野党に追及の時間与えず - 東京新聞(2017年6月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017061602000124.html
https://megalodon.jp/2017-0616-0956-26/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017061602000124.html

自民、民進両党は十五日の参院国対委員長会談で、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡り、安倍晋三首相が出席する参院予算委員会の集中審議を十六日に行うことで合意した。与党はこれまで加計問題に関する集中審議を拒否していたが、文科省の再調査で文書が見つかったため応じた。ただ、通常国会の事実上の最終日。野党に十分な追及時間を与えず、しかも首相自ら国民に説明したとの体裁を整えたいという思惑が透けてみえる。(金杉貴雄)
与党が集中審議に応じるのは参院予算委員会で、わずか三時間。衆院予算委員会の集中審議は「物理的に無理」として、自民党竹下亘国対委員長が応じなかった。
衆参両院の予算委が最後に開かれたのは五月八、九日。「総理のご意向」と書かれた文書の問題が表面化したのは五月十七日だった。その後も文科省前川喜平事務次官が文書の存在を明言するなどしたため、野党は文書に関する再調査や前川氏の証人喚問、衆参両院での集中審議を求めてきたが、安倍政権はすべて拒否していた。
それが国会最終盤になって、文科省の再調査と参院の集中審議に応じた。国会が閉会すれば野党の追及をかわしやすくなる。しかし、このまま何もしなければ、政権への批判が強まり、二十三日告示の東京都議選への悪影響を避けられない。政権がダメージを最小限に抑えるのは、このタイミングしかなかった。