野党 足並みそろうか 立・希・民、会期幅では共闘 - (2017年11月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201711/CK2017110202000130.html
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野党各党は、衆院選後初の国会論戦の場となる特別国会で、「安倍一強」の巨大与党に挑む。衆院選の結果、小党分立の「多弱」状態となり、これまで以上に連携を密にしなければ安倍政権には対抗できない。特別国会の会期幅を巡っては、野党共闘で与党から譲歩を引き出した。ただ、民進党分裂が残した溝は深く、不協和音も出ている。 (金杉貴雄、山口哲人)
「満額回答だ」。立憲民主党辻元清美国対委員長は一日、自民党森山裕国対委員長から連絡を受け、周辺に笑顔をみせた。当初、与党が八日間と提案していた国会会期が一カ月以上長くなり、安倍晋三首相の所信表明演説や代表質問、予算委員会も行う方向になったからだ。
野党六党派がそろって「安倍政権は議論から逃げている」と批判し、与党も応じざるを得なくなった。安倍政権に「是々非々」(小池百合子代表)の立ち位置を示したことがある希望の党も批判に加わり、政権側は「年内は実質的な国会審議は必要ない」(政府高官)との姿勢を転じた。
野党の質疑時間削減を与党が検討している問題にも一斉に反発。希望の笠浩史国対委員長は党会合で「野党で一致して強く抗議している」と強調した。衆院選でぶつかり合った野党だが、ここまでの国会対応では足並みをそろえた。
立憲民主と希望の「結節点」(岡田克也元副総理)を目指す民進は、将来の連立政権に言及した。大塚耕平代表が党参院議員総会で、東京・大阪・愛知の三知事による選挙協力構想「三都物語」をもじり「『三党物語』で政権交代に向け歩みたい」と呼び掛けた。
これに対し、立憲民主、希望は冷ややかだ。立憲民主の枝野幸男代表は、入党後も民進参院会派にとどまっていた福山哲郎幹事長が離脱を求められたとして「連携の意思がないと受け止めざるを得ない」と記者団に不快感を示した。
民進出身が大半を占める希望の渡辺周元防衛副大臣は、立憲民主や民進との連携に関し「今から合従連衡ではあの選挙は何だったとなる。時間をかけて検討すべきだ」と本紙に語った。希望は安全保障関連法や九条改憲を巡り路線対立を抱え、安倍政権に対する姿勢も鮮明になっていない。
こうした立場の違いもあり、野党各党は衆参両院の首相指名選挙ではばらばらの行動を取った。立憲民主、自由、社民は枝野氏に、希望は渡辺氏に、民進系会派は大塚氏にそれぞれ投票。「三党物語」への道のりは遠くにかすんでいる。