http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1829776.html
http://archive.is/2017.05.26-012624/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1829776.html
★政治部も社会部も政権に沈黙し、メディアのチェック機能が働かなくなっていたのではないかと思っていた。首相・安倍晋三は憲法改正について「読売新聞を熟読して欲しい」と言ったが、その読売は前文科事務次官・前川喜平が出会い系バーに出入りしていたと報じた。永田町では日本一のクオリティーペーパーを「党の機関紙か官報ではないか」とやゆされる始末。読売は官邸に利用され、記者もそれで良しと軍門に下ったのかも知れないが、朝日新聞は加計学園問題では追及の手を強める。
★官房長官・菅義偉が「怪文書」と一蹴した内閣府から文科省に「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書を前川は自らが担当課から説明を受けた際に示されたと証言。同時に官庁から当時の内部関係文書がいろいろと出始め、官僚たちも官邸の意向を忖度(そんたく)することを乗り越え、前川に続いた。これが本来の三権分立と報道の独立性なのだが、情報と権力を握る官邸に逆らいにくい状況が続いていたのかも知れない。
★共謀罪に懸念を示す国連特別報告者・ケナタッチを「個人」のものとはねつけたが、公務員の随行を5人も付ける首相夫人は「私人」と閣議決定した。その共謀罪は国連などの条約の批准が必要だから法制化が必要と説き、成立しないと「東京五輪が開催できないかも」(首相)と脅かしたが、その詭弁(きべん)も限界に達している。政界では森友学園前理事長・籠池泰典の逮捕説が流れている。誰もが口封じと感じるが、こんな社会がまかり通らぬよう権力と戦うのがメディアの役割だったはず。政界、官界、メディアの正常化を強く求める。(K)※敬称略