「“おせっかい”次世代に」 柏に交流の場、評判呼ぶ:千葉 - 東京新聞(2017年4月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201704/CK2017040102000158.html
http://megalodon.jp/2017-0401-0935-05/www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201704/CK2017040102000158.html

介護や育児などを通して、日常生活で感じた悩み、喜びを語り合う交流の場が、柏市中心部の二カ所で定期的に設けられ、評判を呼んでいる。運営する住民有志は「気軽に立ち寄ってほしい。雑談を楽しみながら地域のきずなを深めたい」と話す。 (堀場達)
会場は、イオンモール柏と、市立文化施設のパレット柏で、いずれも無償提供だ。イオンの店舗では「おしゃべり広場・きらら」、パレットでは「談話室」として、それぞれ月二回ずつ隔週で開かれている。
市内を拠点に活動するグループ「介護・認知症の家族と歩む会」と「笑顔の会・きらら」が主催し、昨年七月から始めた。歩む会世話人代表の北川邦彦さん(76)は「よもやま話に耳を傾けたり、相談事に乗ったりすることが目的」と打ち明ける。
立ち寄る人の中には、夫の愚痴を長々と話し続ける高齢女性も。「難しいトラブルは専門の窓口で解決してもらうしかないけれど、ただ話を聞いてあげるだけで、気分がすっきりする場合もある。そんな手助けができれば」と北川さん。「昔は町内の年寄りが担っていた聞き役を引き受けることで、私たちも視野を広げたい」と話す。
立ち寄ってもらうきっかけにと毎回、ちょっとしたイベントも用意している。笑顔の会世話人代表の小林順子さん(68)はスギナやドクダミなどを使った手作りの野草茶を振る舞う。
小林さんの知り合いで、ハンドセラピストの養成教室を松戸市で主宰する山本千鶴子さん(46)は、手弁当で、来場したお年寄りらにハンドセラピーを施す。「障害などで話すことは苦手でも、手を触れ合って意思が通じやすくなる。コミュニケーション手段の一つであることを伝えていきたい」と笑顔を見せる。
近隣の聖徳大学松戸市)、開智国際大学柏市)の学生が手伝いに来ることもあり、北川さんは「いろいろな分野の人が集まって取り組む“おせっかい”を次世代に引き継いでいきたい」と言葉を弾ませる。
北川さんたちは、活動に注目した松戸市社会福祉協議会の依頼により、五月から月一回の「談話室」を同市総合福祉会館で新たに運営していく予定だ。