東松山少年致死 家庭、学校に居場所なく 検証委が中間まとめ:埼玉 - 東京新聞(2016年11月22日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201611/CK2016112202000191.html
http://megalodon.jp/2016-1123-0937-12/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201611/CK2016112202000191.html

東松山市都幾川河川敷で八月、吉見町のアルバイト井上翼さん=当時(16)=が暴行を受け死亡した事件で、同市教育委員会の検証委員会は二十一日、事件の状況把握や解決すべき課題を検証した中間まとめを公表した。
市教委によると、検証の中では、複雑な家庭環境から保護者として十分に子どもを養育していない親の問題、親と教職員との信頼関係、中学進学時の小中学校の連携強化などが課題として浮き彫りになった。
少年らの親の中には、離婚や再婚で子どもに厳しく当たったり、子どもを避けたりするケースがあった。夏休み後に急に問題行動を起こしたり、成績が低下した少年もいた。また、中学入学当初は学校の指導に協力的だった親が、服装や髪形などでの指導が積み重なるうちに「もっと学校で面倒をみてくれ」などと言うケースもあったという。
鈴木寿学校教育課長は「成績が落ちたときに(魅力ある授業など)何ができるのか。困っている親への支援など改善策を考えていきたい」と述べた。中村幸一教育長は「子どもたちには家庭にも学校にも居場所がなかったのでは。担任以外でも、だれでもいいから、一人はその子に寄り添える大人が必要」と述べた。事件では、十七歳と十六歳の無職少年二人が傷害致死罪で起訴され、中学生三人は少年院送致となっている。 (中里宏)